古布人形(むかしぎれにんぎょう)は、昔の祭りの旗の下に逆さまにぶら下がっていたお守りであるさるぼぼが起源です。 ここでは、古布人形の製造工程をご紹介します。
1.布選び
古布人形は、古くて良い布が全てといっても過言ではありません。良い古布の3つの基準は以下の通りです。
●風合いがこなれていること
例えば、ちりめんのちぢれ(しぼ(凸凹)が無くなっていることを意味します。
左下の写真は新しいちりめんと古布の比較です。
左の新しいちりめんは生地の表面のしぼが残っていますが、右の古布にはしぼが見られません。
しぼが無くなったことにより、風合いがこなれた古布になります。
●色がくすんでいること
色が古ぼけていることです。
下の中央の写真は、新しい布と古布の比較ですが、下の赤が鮮やかな布が新しい布です。
真ん中の朱色と上の鳩羽色が古布です。
●柄は細かいこと
刺繍が細かいことを意味します。
右下の写真のように、細かい柄が良い古布の条件となります。
2.型取り
古布人形は原則見込み生産です。 わらべ人形やうさぎ人形が主ですが、それぞれに型があります。 型は数種類ありますが、受注生産や展示会、コンクールの際に新しい型を制作します。 尚、型はひで子のノートに記載されております。
型を取る際のポイントは、古布のどの部分を切り抜くかです。 人形全体をイメージして、柄や配色を考慮しながら型取りする箇所を選びます。
3.縫い付け
型を取った後は、綿を詰めて絹糸で縫い付けます。 アイロンで絹糸の癖を矯正してから縫い付けます。 縫い付けは細かい作業になります。
4.仕上げ
人形本体の縫い付けが終わったら、服や小物を付けて仕上げとなります。 よく用いられる小物は、手鼓、デンデン太鼓、風車です。 場合によっては、金屏風を背景として置いたり、複数の古布人形や置き太鼓等の備品でストーリー性を持たせる場合もあります。